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近年の地球温暖化,化石資源枯渇,生態系への影響の懸念から,バイオプラスチック(BP)の開発は全世界において最も注目を浴びる分野の一つと言える。“バイオプラスチック”の呼称はバイオマス由来プラスチック,生分解性プラスチック,あるいはその両方の特徴を有するプラスチックの総称であり,目的・用途により言葉の使用には注意が必要である。例えば,生分解性を有していなくてもその原料がバイオマスであればBPに含まれ,環境中に排出された場合は汚染の原因となる。様々な研究機関がBPの機能性の向上やBPへの生分解性の付与を試みているが,大気中炭素の物質収支を考慮すると,不用意に生分解性を求めることはナンセンスである。バイオマス利用の最大の利点はカーボンニュートラルであり,これはバイオマスの発生と利用の速度マッチングにより初めて実現する。そのため,BPの普及においては,環境排出の可能性の高い製品には生分解性を付与し,比較的回収の容易な製品についてはバイオマス由来かつ耐久性の高いものを導入し,炭素の固定期間を長く保つことが重要である。以下では,バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの両BPについて近年の研究事例を紹介する。 現在...
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