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2021 Vol.85 No.7 特集

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特集

ウイルス感染予防に役立つ化学工学
感染予防についての化学工学関連技術の概説

 本稿では,まず感染症の歴史を概観するため約100年前に流行したスペインインフルエンザに着目し,当時の人々がどのように対応したのかを紹介する。その後,前の記事でご紹介いただいたウイルス不活性化(消毒)を効果的におこなうための化学物質について説明する。合わせて,感染予防に役立つ化学工学関連技術を紹介する。  スペインインフルエンザは1918年3月頃から1920年頃まで全世界で流行し,多くの被害をもたらした1)。日本では1918年8月下旬から流行が始まった2)。当時,内務省衛生局が「流行性感冒予防心得」を発表し,マスク着用やくしゃみ時に口を覆うことなどを推奨した。人々が日常的におこなう感染予防策は,マスクをすることや咳エチケットにとどまっていた3)。これは当時,消毒用アルコールの供給が主に医療用に限られており,広く一般市民には入手・使用が困難だったためと推察される。翻って現在(本稿執筆時点)では,アルコールの入手は比較的容易である。人々の日常的な感染症対策として,アルコールや界面活性剤などの化学物質を使用した消毒および手洗いが可能となっている。この100年の違いを俯瞰すると,化学工学が大きく進歩し社会的に重要な化学...

日野 光一
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日野 光一

Chemical Engineering Technologies for Prevention of Viral Infections

Koichi HINO

  • 1994年 早稲田大学理工学部工業経営学科卒業

  • 千代田化工建設(株)技術開発部

福田 公一
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福田 公一

Kimikazu FUKUDA(正会員)

  • 1996年 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程修了

  • 花王(株)加工・プロセス開発研究所

遠藤 肇
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遠藤 肇

Hajime ENDOU(正会員)

  • 2005年 東北大学 工学研究科博士課程後期修了

  • 三井化学(株)生産・技術企画部プロセスシステム技術G 主席部員

堀河 俊英
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堀河 俊英

Toshihide HORIKAWA(正会員)

  • 2004年 関西大学大学院工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了

  • 徳島大学大学院社会産業理工学研究部理工学域応用化学系 准教授

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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