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セルロースナノファイバー(以下CNFと呼ぶ)は直径が3~50 nmでアスペクト比が100以上の繊維状の物質であり,鋼鉄の1/5の軽さで5倍の強度を有し,石英ガラス並みに線熱膨張係数が極めて小さいといった優れた特徴を持つ材料である。CNFはその優れた特性により,強度維持と軽量化を両立,自動車等のエネルギー効率を改善することで,大幅なCO2排出量の削減が可能であること,大気中のCO2を固定化した再生可能なバイオマス由来の材料であることから,脱炭素社会,炭素循環社会への貢献が期待されている。国内の政策としても「第五次環境基本計画」(2018年),「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(2019年)において研究開発を推進することが表明されており,基礎研究から実用化技術まで幅広く研究開発が進められている。 CNFの製造方法はバクテリアによってグルコース等の糖類を炭素源としてセルロースを合成するボトムアップ的な方法も研究されているが,木材などの植物組織から前処理によってヘミセルロースとリグニンを除去,セルロースを取り出して,化学的,機械的な操作でセルロースを解繊するトップダウン方式が主流であり,前処理方法,解繊方...
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