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近年,地球温暖化や気候変動が世界的に大きな環境問題となっている。日本でも,夏の猛暑や台風の大型化,短期集中豪雨の増加等が顕著になっている。気温の上昇だけでなく,海水温も上がることによって海中にも影響が及び,サンゴの白化や藻場の磯焼けなども起こっている。このように地球温暖化は,私達の生活や自然界の動植物に大きな影響を及ぼしている。この地球温暖化に対して,自然の力を使った緩和策がある。自然の力を使った緩和策は,最近ではNature-based Solutions(NbS)1)と呼ばれている。NbSは社会的課題に対する自然に根ざした解決策であり,環境,社会,経済の利益を同時に提供し,回復力の構築に役立つ。このような解決は,地域に適応した,資源効率の高い体系的な介入を通じて,ますます多様な自然と自然の特徴とプロセスを都市や景観にもたらし,同時に生物多様性と人間の幸福に利益をもたらす。 地球温暖化に対する沿岸域におけるNbSとして,藻場・干潟などの沿岸生態系を活用したブルーカーボン2)が着目されている。ところが,藻場は,沿岸域の開発や水質悪化によって,例えば,瀬戸内海では,1960年から1971年の間に,アマモ場の面...
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