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人間の血液中には赤血球や白血球など様々な成分が含まれているが,それらの成分よりだいぶ小さい(直径1~3μm)ものの,重要な役割を担っている物質が血小板である。血小板は骨髄内に存在する巨核球と呼ばれる細胞の細胞質が血液による剪断応力によって分離して血液中に放出されると考えられており,通常血液1μLあたり15~30万個程度存在する。この血小板の輸血は血小板減少時や血小板機能異常による出血,あるいは血液疾患や術中出血などで血小板減少が予想される場合の治療および予防対策として有効であり広く利用されている。しかしながら血小板の寿命は7~10日程度と短いうえ,1回の輸血において使用される血小板は3,000億個程度と多く献血のみによってその供給全てを賄うことは困難であり,様々な研究がなされている。例えば木下らは径200 nm程度のリポソーム表面にフィブリノーゲンの活性部位をつけて出血部位に集積させ,血小板活性化因子であるアデノシン2リン酸(ADP)を内包させることで出血部位に集まり,血小板血栓形成を促進する止血ナノ粒子を開発している1)。このように様々な人工血小板代替物の開発がなされる一方で,自己細胞や巨核球を培養すること...
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