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「バイオエコノミー」の概念は2009年に経済協力開発機構(OECD)によって提唱された1)。その定義は,空気中の二酸化炭素などの地球温暖化ガスの濃度上昇に伴う,地球温暖化の地球規模課題の解決と,石油や石炭などの化石資源の枯渇問題を解決するために,バイオマス(生物資源)やバイオテクノロジーを利活用して,経済成長の実現を目指す経済活動全般,もしくはその考え方を意味する。 この概念は,2015年9月に国連にて採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の推進にも大きく寄与することから,米国,EUそして中国など世界各国で「バイオエコノミー」の推進に向けた戦略策定がおこなわれている。日本では日本バイオ産業人会議が「進化を続けるバイオ産業の社会貢献ビジョン(日本における2030年のバイオエコノミービジョン)」を作成するなどの動きが見られる。このようにバイオエコノミーは,化石資源を基盤とする社会・経済から脱却し,経済を成長させながら持続可能な社会を実現させるには欠かせないこととして期待されている。 本稿では,米国や欧州にできつつある,バイオ生産技術の集積化拠点(バ...
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