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質量分析(MS)は,分子量を直接評価することが可能なため,有機物の測定法として重要な地位を占めている。中でも二次イオン質量分析法(SIMS),特に飛行時間型SIMS(TOF-SIMS)は,最表面且つ微小領域の有機物の測定法として化学工業の不良解析やバイオ試料の測定に成果を挙げてきた。しかし,従来のTOF-SIMSでは,面分解能が100 nm以下を実現してはいるものの,測定可能な質量(m/z)はせいぜい数百〜1,000程度であり,特にイメージングに必要な強度を得るためには,測定可能な質量は更に小さくならざるを得ない。一方,マトリックス支援レーザー質量分析法(MALDI MS)は,バイオ試料の組織レベルでの質量分析法として十分に確立されてきた。しかしながら,MALDI MSではイオン化のためのマトリックス処理を試料に施す必要があるために必ずしも試料固有の情報を反映することができない場合があること,また面分解能が数μmである(多くは数十μmレベルでの測定)ため細胞レベルでの評価が難しいこと,が指摘されている。 日本では京都大学の山田・松尾らを中心にガスクラスターイオンビーム(GCIB)が開発され,GCIBをスパッ...
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