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CO2回収・利用(CCU)はCO2ネットゼロを実現するための戦略として世界的に検討されている。CCUは,大気中もしくは燃焼排ガスから回収したCO2を有効利用する技術で,回収されたCO2は燃料や化学品の原料として使用することができ,エネルギー問題の解決に繋がるものとして有望である。近年では,CO2から燃料や化学品原料といった有用物質を効率良く合成することを目的として,CO2水素化触媒の開発が進められている。これは,再生可能エネルギー由来の電力を用いて水の電気分解により水素を製造し,その水素とCO2を基に有用物質を合成する試みである。それを十全に進めるためには,既存の技術の延長に頼るだけでなく,革新的な触媒技術と社会システムを創出することが必要である。本稿では,有用物質の中でも低級オレフィンに着目した触媒開発に関して概説する。 CO2水素化反応による低級オレフィン合成のルートは2つある(図1)。1つは,フィッシャー・トロプシュ反応を経由するものである(直接ルート)。しかしながら,直接ルートを経由した合成では,生成物分布がアンダーソン・シュルツ・フローリー則に縛られることから,低級オレフィン選択率は58%が上限と...
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