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日本各地で限界集落や耕作放棄地の問題が顕在化して久しい。これは,少子化に加え,地方から大都市圏への人口流出が原因であると言える。地方では店舗の閉鎖や地域コミュニティの破壊といった課題が生まれ,一方で人口が集中する都市部では都市型災害や感染症拡大のリスクが大きくなっている。 人口を地方にも分散させるためには,地方に活発な産業を増やすことが重要である。産業によって地域を中心とするモノやサービスの流れを生み出せば,それに係る仕事が生まれ,地方での生活を望む人が増えると期待できる。 地方でのモノづくりを考える時,バイオマスはその有力な原料である。現在の化学産業の主要な原料である化石資源は二酸化炭素の放出に繋がるとして使用量の削減が叫ばれている。化石資源はやがて枯渇していく資源であり,いつまでも活用できるわけではない。一方で,バイオマスは再生可能な資源であるため,使用量をバイオマスの成長速度以下に抑えれば,枯渇する恐れがない。また,バイオマスは成長の過程で空気中の二酸化炭素を固定するため,上手く活用すればカーボンネガティブな産業を構築できる可能性もある。 バイオマスを原料として付加価値の高い化学物質を得るための反...
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