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ハーバード大学の応用数学が専門のマイケル・ブレナーらは,2010年から「科学と料理(Science & Cooking)」という講義をおこなっており,10年目の2020年にはその活動がまとめられた書籍が出版されている1)。本の著者の1人である応用物理学のデービッド・ワイツは,その講義の中でステーキのレア,ミディアムの焼き具合が肉の内部にどのような変化をもたらすのか,焼き加減の違うステーキに重りを載せ,肉の沈み具合を比べて見せた。ワイツ教授は,ある記事の中で「学部生に科学の面白さを伝えるのは長年の課題だったが,今回は大きな手応えを感じた」と語っている。すなわち,この講義は大学教員が応用物理学や工学の基本的な原則を学生に伝える“道具”として,料理を扱っている。 また,エルヴェ・ティスは,物理学者のニコラス・クルティと共に,1992年に第1回の『分子および物理ガストロノミーに関する国際ワークショップ』をイタリアで開催した。「分子」は,化学的,物理的という意味を指し,「分子ガストロノミー」には,それらの視点でガストロノミー(美食学)を研究するという意味が込められている。2021年にティスらは,「分子ガストロ...
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