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アフィニティクロマトグラフィーは分離対象への特異的な親和性を有する捕捉基(リガンドと呼ばれる)を利用したクロマト分離技術である。アフィニティクロマトグラフィーの原点は不溶性デンプンにα-アミラーゼを吸着させた1910年のStarkensteinの報告とされており1, 2),分離技術としては100年以上の歴史がある。今日では,Hisタグ(6個程度の連続したヒスチジンを含む構造)を導入したリコンビナントタンパク質をNiキレート樹脂でアフィニティ分離する方法が遺伝子工学分野で汎用されるなど,バイオ研究に欠かせないツールとなっている。また,産業利用の点から見ると,2000年頃から加速度的に実用化が進む抗体医薬品の精製に,プロテインAなどをリガンドとしたゲルが広く利用されている。 本稿では,近年技術的に大きく進展した抗体のアフィニティクロマトグラフィーを中心に紹介する。 ...
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