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多孔体などに代表される複雑構造周りにおける液の蒸発現象は,自然界ならびに産業界において幅広く見られる。例えば土壌からの液水の蒸発や,地下油田からの揮発性炭化水素の回収,インクジェットプリンターによる成膜などがあり,これらの現象の詳細を解明するためには,構造の粗さスケールの蒸発現象が重要である。 複雑構造周りにおける流体の数値シミュレーション手法の1つとして,格子ボルツマン法が注目されている。格子ボルツマン法とは,流体を仮想粒子と呼ばれる微視的な粒子の集合体とみなし,それらの衝突と並進を繰り返すことで流体の巨視的な運動を解析する手法である。具体的には,ボルツマン方程式を時間・空間・速度空間について離散化した格子ボルツマン方程式と呼ばれる時間発展方程式を解くことで流体の運動が計算される。図1に示すように,一般的な非圧縮性流体のための格子ボルツマン法では,ある格子点上で衝突した仮想粒子は次の時間ステップに隣接する格子点へと並進する。すなわち,衝突・並進計算には隣接する格子点上の情報しか必要としないため,MPIやGPUを用いた大規模並列計算に適している。また,仮想粒子を固相表面上で跳ね返すbounce-backスキ...
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