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2024 Vol.88 No.3 特集

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巻頭言 次のステージに上がったイオン液体研究

特集 イオン液体の複雑な高圧相転移挙動

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特集

イオン液体と化学工学
化学工学におけるイオン液体の期待

 イオン液体(ionic liquid)という言葉が,学会や論文のみならず,高校教科書などにも用いられるようになって久しい。イオン液体はもはや新しい液体ではなく,水や有機溶媒と並ぶ液体として一般に認知されるに至ったと言えるかもしれない。イオン液体は,イオンのみから構成され,溶媒とみなせる中性分子を一切含まない液体と定義できる。室温で固体の塩を,その融点以上の温度に加熱することによって得られる液体は一般に溶融塩(熔融塩,融解塩,molten saltまたはfused salt)と呼ばれる。溶融塩の多くはイオンのみから構成されていることからイオン液体と言える。近年,融点が室温以下にあるかさ高いイオンから構成される液体塩をイオン液体と呼ぶことが多いが,かつては室温溶融塩(room-temperature molten salt)または常温溶融塩(ambient temperature molten salt)と呼んでいた。また,上述のイオン液体の定義には温度(融点)は含まれていない。室温でイオン液体であるか否かを明示するために,室温溶融塩と同様に,室温イオン液体(room-temperature ionic liqu...

片山 靖
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片山 靖

Prospect of Ionic Liquids in Chemical Engineering

Yasushi KATAYAMA

  • 1996年 京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)

  • 慶應義塾大学理工学部応用化学科 教授

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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