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分離・精製は化学産業のみならず,医薬・食品を含む様々なプロセスにおいて極めて重要な操作である。2016年にNature誌に掲載された“Seven chemical separations to change the world”1)では,「CO2回収」や「炭化水素分離」など7つの分離プロセス改善の重要性が指摘されている。また,プロセス強化の具体的アプローチとして挙げられる反応分離操作は,「反応」と「分離」という異なる単位操作を融合し,その協奏的な効果により装置小型化や,省エネルギー化,物理化学的平衡関係の打破を達成するもので,本誌第87巻第1号でも特集が組まれている。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて,省エネ・高効率な分離技術の開発,また反応分離操作への展開は重要となる。 イオン液体(Ionic liquid:IL)は,難揮発性,耐熱性,特異な物質溶解能,そしてカチオン・アニオンの組み合わせによる物性のデザイン性の特徴を持つ。これらの特徴を活かし,IL膜では,ILと透過分子との親和性に基づいた分離が可能であり,先述の省エネ・高効率な分離技術の開発,また反応分離操作への貢献が期待できる。一方で,IL...
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