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イオン液体は,不揮発性,高極性,導電性,流動性,低融点等の特異的な物性を有する液体の有機塩である。中でも,室温で液体のものは室温イオン液体と呼ばれ,近年ではこれをイオン液体と定義する場合も多い。その用途は,電気化学や材料科学,反応溶媒,バイオマテリアルなど幅広い分野で注目され,応用検討がおこなわれている。一方で,酵素反応は,化学品,食品,医薬品製造に幅広く利用されており,その応用先は,近年,バイオマス変換などエネルギー分野にも広がり,その重要性は年々高まっている。酵素反応に用いる酵素は,一般的には酵素が含まれる微生物や酵母を使用するが,反応率が低く,それらから抽出精製した酵素が使用されている。しかしながら,精製酵素は保存安定性が低いものが多く,安定化剤が使用されている。主に安定化剤としては,グルコース,グリセリン,アルギニン,アルブミンなどが用いられているが,保存期間や保存温度に課題があった。そのため,長期間,常温下でタンパク質,酵素の活性を保持できる安定化剤や,反応効率の高い酵素反応プロセスの開発が求められており,種々検討がおこなわれ,近年,イオン液体のタンパク質保存溶媒1, 2),酵素反応溶媒3)への応用...
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