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標的粒子の分離は,医学・生化学などの基礎研究,医療,創薬,化学工業など,幅広い分野において必須のプロセスのひとつである。例えば,医療・バイオ等の分野において,異種の生体粒子(細胞など)が混在する不均一な集団の中から標的粒子を分離する操作は,生体粒子を解析または利用する上で不可欠となる。従来の粒子分離には,遠心分離法などのバッチ操作が広く用いられているが,2000年代から,マイクロ・ナノ流体デバイスを用いた粒子分離に関する研究が盛んにおこなわれるようになり,マイクロ・ナノ空間での安定した層流環境の特徴を活かし,高効率に粒子を分離可能な新しい技術が数多く提案されてきている1)。これまでに,当該デバイスを用いてマイクロメートルサイズの粒子(細胞,ビーズ,液滴など)からナノメートルサイズの粒子(細胞外微粒子など)まで様々な粒子の分離が試みられてきている。本稿においては,これまでに数多くの報告がされている血球分離に関して,近年の研究を交えて紹介したい。 身体の恒常性を維持するために重要な役割を担っている血液中の血球成分(白血球,赤血球,血小板)は,特定の疾患の状態を反映するバイオマーカーとして利用が可能であることから...
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