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2020 Vol.84 No.6

巻頭言

特集

エネルギーハーベスティング:化学プラントのIoT化に向けて

 環境中のエネルギーを収穫して発電するエネルギーハーベスティング技術が注目されている。光,熱(温度差)や振動など身近にあるエネルギーを用いて発電するこの技術は,センサー等の電源を独立化できることから,電源設備の簡素化やセンサー導入コストの低減に寄与する。このようなセンサーはIoT(Internet of Things)技術と組み合わせることで,化学プラント制御系におけるデータサンプリングの多点化に繋がり,プラントの高度制御への活用が期待されている。例えばセンサー群から得られるデータは,設備の「見える化」に寄与するだけでなく,異常予兆の早期検知によりトラブルの未然防止に役立つと期待される。また,センサー情報が従来にない規模で集約されれば,最適な生産条件を算出したり,未来の設備状態を予測するなど,化学プラント運転の高度化に大きく貢献する可能性がある。一方で,今後エネルギーハーベスティング技術が広く普及し,化学プラントのIoT化を加速していくためには,発電効率の改善や長期間メンテナンスフリーで稼働させるための耐久性確保など解決すべき課題も多い。
 本特集では,各発電方式における発電特性向上の試みや長期性能維持への取り組みと実プロセスへの応用事例について専門家の方から紹介いただく。さらにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたエネルギーハーベスター(エネルギーハーベスティングによる発電機)の高効率化,小型化に関する最新の研究開発動向についても紹介する。
*本特集テーマは,読者アンケートのご要望を受けて企画したものです
(編集担当:村井亮太)

学生会員の声

広がれ!ダイバーシティ

Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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