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血中循環腫瘍細胞(CTC:Circulating tumor cell)はがん組織から血管内に侵入し,血流に乗り全身を循環するようになった腫瘍細胞である(図1)。がんの血行性転移に関与することが知られており,採血のみで低侵襲的かつ定期的に採取できる腫瘍細胞であることから,液体生検(リキッドバイオプシー)の主要なターゲットとして知られている。液体生検とは,血液や尿などの体液を利用してがんの性質を評価する技術で,CTCや血中循環腫瘍DNA(ctDNA:circulating tumor DNA),Exosomeなどが測定対象として挙げられている。特にCTCは,転移・再発症例で生検が不可能な場合の組織代替サンプルとしての利用や,定期的な採取・解析による治療効果のモニタリングへの利用が可能であると考えられており,個別化医療の発展への寄与が期待されている1, 2)。さらにCTCは,近年の研究により原発巣(最初に発生したがん)とも転移巣(別の臓器に転移したがん)とも異なる性質を持つことがわかってきており,転移メカニズムの理解や,新たな治療標的の探索など,創薬分野での応用も検討されている。一方で,CTCは血液1 mL中に含...
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