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アンモニアは,化学工業において尿素や化成品などを製造するための活性な窒素源として極めて重要な基幹中間体であり,近年増加し続ける人類の食糧需要や化学産業を支えてきた。最近では,アンモニアは水素を多く含むこと,易液化性,可燃性等の特性から輸送・貯蔵可能な水素源として,水素エネルギーキャリア,更には火力発電における石炭との混焼及び専焼燃料や排ガス脱硝還元剤といった環境・エネルギー関連の工業利用に注目が集まっている。従来は,鉄系触媒を用いて空気中の窒素と化石資源から得られる水素を高温・高圧条件下で反応させるハーバー・ボッシュ法(以下,HB法)により製造されてきた。HB法のプラントは,エネルギーの高効率化を目的に大型化が進むと共に,安価で大量の原料水素を得るために化石資源の産出地域に建設される傾向がある。このHB法による大規模一極集中型のアンモニア生産システムは,スケールメリットや安価な原料により製造原価の大幅な低下を実現し,100年以上前に実用化されて以来アンモニアの工業的製造法の事実上の標準となってきたが,一方,効率化が進んだHB法であっても高温・高圧条件を必要とする大量エネルギー消費プロセスであることに変わりはな...
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