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持続可能な社会・経済の実現に向けて,石油由来の化成品をバイオテクノロジーで製造するプロセスの開発が期待されている。微生物による発酵生産はその中核をなすことから,目的物質を高生産できる微生物株の創出が世界的に進められている。 従来,そのような微生物は紫外線や薬剤による変異導入や,細胞内の代謝経路を改変する遺伝子導入によりおこなわれてきたが,近年,遺伝子の発現量を調節可能な分子ツールが次々に開発されると共に1),実験操作の自動化が進められることで,所望する遺伝子組換え微生物を短期間で構築可能になってきた。 更に,ゲノム編集技術の登場により,遺伝子配列の精密操作が可能になり,代謝改変のファインチューニングが実現している。また,先端計測機器の開発により,微生物株の物質生産能評価がハイスループット化している。 このように,バイオ生産用微生物株の構築技術が進展してきたことから,株開発は世界的な競争領域となり,目的物質の生産性を最大限に高めた微生物を迅速に創出するプラットフォーム技術の開発が必須となっている。 筆者らは,原料から目的物質を最大収率で生産可能な代謝経路を計算科学的手法により設計した後に,先端的な遺伝子...
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