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2022 Vol.86 No.6 トピックス

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トピックス

平面に衝突する液滴の相変化を伴う熱伝達現象の可視化計測

 液滴衝突現象は,自然界でよく見られる現象であるだけでなく,様々な産業プロセスにおいて有効的に用いられている。特に,噴霧冷却のように液滴を高温の壁面に衝突させる場合が多く,電子機器冷却や金属の熱処理など様々な用途において最も効果的な冷却方法の一つとされている。  これまでに噴霧冷却の熱伝達メカニズム解明や高効率化を目的として,加熱された平面に衝突する単一液滴の熱伝達特性に関する研究がおこなわれており,その挙動は液体が沸騰を始める飽和温度に対する加熱面温度に強く依存することが知られている。また,液滴の慣性力と表面張力の比を表すWeber数によって,衝突後の広がり/収縮挙動(壁面との接触面積)や固液界面熱流束,動的接触角が複雑に変化する。さらに,周囲気体や壁面の特性などの要因も熱伝達プロセスに影響を及ぼす可能性が示唆されている。  しかしながら,多くの液滴衝突熱伝達に関する既存研究は加熱面に埋め込まれた熱電対による平均的な表面温度測定によっておこなわれており,固液界面の温度分布や熱流束分布,伝熱量,有効伝熱面積,蒸気膜厚など,液滴と壁面の衝突のメカニズム解明に直結する高時空間分解能を有する実験データを得ることはでき...

岡部 孝裕

岡部 孝裕

  • 弘前大学大学院理工学研究科

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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