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「水と油」は混じり合わない典型的な例として,よく使われる。しかし,何らかの原因で相互に混合し安定して存在することがある。牛乳などがその一例であり,このように安定な液体を作る操作は「乳化」と呼ばれる。乳化された液体を「水」と「油」に分けたい場合もしばしばある。これを「解乳化」もしくは「エマルジョン破壊」などと称する。本稿はこの「解乳化」に関する概説である。 解乳化したい液体は様々である。石油の掘り出しや石油精製,化学プロセスにおける抽出操作,油を扱った配管などの洗浄水など,規模も成分も種々異なる。それぞれの状況に応じて,いくつかの解乳化手法が提案され実用化されている。適切な方法がない場合は,焼却処分することもあるが,水分が多いエマルジョンの場合はエネルギー・環境負荷の観点から避けたい傾向が強くなってきている。 解乳化とは,「液液分離」と見ることができる。図1に「解乳化」の概念を示す。仮に一方の液(液体1)に他方の液(液体2)が,小さい液滴として分散しているとする。この場合,液体1を連続相,液体2を分散相と呼ぶ。しかし,どちらが連続相か分散相か区別できない場合もある。エマルジョンは液液界面の面積が大きいので,...
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