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損傷した組織の回復をめざす再生医療分野や,動物実験の削減が喫緊の課題となっている創薬分野では,細胞を立体的に培養することによって機能を持った3次元組織モデルを人工的に構築する組織工学への関心が高まっている。生体組織に似た複雑で高機能な3次元組織を再現するには,複数の細胞を適切な箇所に配置することが求められる。3Dプリント技術を応用したバイオプリンティング手法1)は,細胞を含んだ材料を再現性高く3次元的に配置することが可能であり,組織工学において大きな期待を集めている。 主なバイオプリンティングの手法として,インクジェット方式,押出し方式,レーザーアシスト方式の3つが挙げられる1)。押出し方式は高粘度材料など利用可能な材料幅が広い反面,解像度やプリント速度に課題を抱える。レーザーアシスト方式では高解像度を実現できる反面,プリンター自体のランニングコストが高価なため構築する組織の価格も高くなる。インクジェット方式ではインクの粘度制限やノズル詰まりの問題はある一方,ノズルの並列化により高解像度で高速のプリントが可能となる。本稿では,まず,インクジェット型バイオプリンティングと高い親和性を有する,細胞吐出用インクジ...
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