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例えば,高温の溶融金属などが水中に落下するとき,急激な熱伝達により高圧の水蒸気が発生し,その膨張により周囲の構造物の破損等の被害をもたらすことがある。このような現象が水蒸気爆発と呼ばれる。古くはアルミニウム溶融物の爆発に関するLong(1957)1)の研究があり,1980年代以降は原子炉の重大事故の際,溶融した燃料(酸化ウランや酸化ジルコニウムの混合物)が冷却水と接触する場合の水蒸気爆発について多くの研究がおこなわれた2, 3)。産業界はいろいろな物質による水蒸気爆発事故を経験している。脱硫・脱酸素剤製造工場における溶融マンガンの水蒸気爆発(茨城,1985年),鉄鋳造工場で溶融鉄(兵庫,1988年)4),廃棄物処理施設で溶融アルミニウム(山形,1990年)5),焼却灰溶融物(静岡,2004年)6)など,多くの事例が見られる。水以外でも低沸点の液体が高温の液体と接触すれば同様の現象が起こり得るわけで,一般的に「蒸気爆発」と呼ばれる。 ...
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