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産業分野で最もエネルギー消費の多い分野とされる化学産業において,エネルギーの約40%が蒸留プロセスで消費されている。持続可能な開発目標(SDGs)で設定されているエネルギー効率改善の達成に,蒸留プロセスの省エネルギー化が大きく貢献することが期待できる。 蒸留プロセスのエネルギー消費量削減を達成するためのアプローチとしては,運転条件を最適化することや,省エネルギー蒸留技術を導入することが挙げられる。今回,新規蒸留プロセスの建設にあたり省エネルギー蒸留プロセスの導入を検討し,建設・運転に至った事例を紹介させて頂く。省エネルギー型の蒸留プロセスにPetlyuk蒸留プロセス(図1)がある。Petlyuk蒸留は高い省エネルギー性能を有しているが,通常の蒸留操作に加えて,サイドカットを持つ第2塔の降下液と上昇蒸気を予備蒸留塔の第1塔へ分配することが必要となるのが特徴である。しかし,実装置における蒸気分配と制御が難しいと考え,実用化が進まなかった。垂直分割型蒸留塔(Dividing Wall Column:DWC)は,蒸留塔内に垂直に仕切り板を設置することで蒸気分配の問題を解決し,かつ,Petlyuk蒸留プロセスと同等の...
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