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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は,我々の生活様式を大きく変えつつある。厚生労働省は感染防止対策の基本として,身体的距離の確保,マスクの着用および,手洗いを挙げ,3密の回避やテレワークの推奨などを含んだ,いわゆる「新しい生活様式」を提案している1)。わが国では,花粉症や感染症対策として,従来からマスクの着用が普及していたが,それでもCOVID-19の感染拡大初期においては,マスクの品薄が社会的問題となり,また,マスクの着用が困難である医療現場や飲食店などでは,依然として十分な感染防止対策をとることが困難である。 一方,COVID-19の集団感染(クラスター)では,感染者から発生した飛沫による感染(飛沫感染)が疑われるケースが報告されている2)。WHOは,マスクの着用が飛沫感染抑制に一定の効果があることを認めつつ,換気など,その他の感染予防策を併用することを推奨している3)。この換気基準としては,厚生労働省はビル管理法の基準である,一人あたり30 m3/hの換気風量を確保することを感染予防のための換気指針として挙げている。また,二酸化炭素濃度が1,000 ppm以下となる...
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