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脱炭素社会への取り組みが加速する中,国際社会では海洋での気候変動対策への機運が高まっている。特に,沿岸浅海域を対象としたブルーカーボンの活用への期待が大きくなってきた。米国やオーストラリアでは,既にブルーカーボンを自国の温室効果ガス(greenhouse gas,以下GHGと略記)インベントリに登録し,算定を実施している。 また,海藻を食料利用する文化が無かった欧米諸国でも,ブルーカーボンへの期待から海藻養殖を実施し,様々な方面への活用について研究開発が実施されるようになった。最近では養殖された海藻が,生鮮食料として小売店で店頭販売されるまでになってきている。 国内でもブルーカーボンを森林,農地,都市緑地に続く新たなCO2吸収源とする動きが始まった。脱炭素社会へ向けた各種政策にブルーカーボンの探求が含まれるようになり,国土交通省を事務局に関連省庁を中心としたブルーカーボンに関する検討会も設置されている。ブルーカーボンの吸収源評価に必須となる算定手法の構築に向け,ブルーカーボンの浅海域への貯留メカニズムに関する研究成果がまとめられてきている1)。 本稿では,このようなブルーカーボンの活用に関する事例を紹介...
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