※ 検索ワードを区切るスペースは半角でお願いします。
今年の8月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の自然科学的根拠に関する第6次評価報告書によると,世界の平均気温は1850年~1900年と比べ2011~2020年には1.09℃高くなっており,海上でも0.88℃昇温したと報告されている1)。こうした気候の変化により,我々を取り巻く海洋環境も変化している。海水の極端な高温が一定期間続く海洋熱波の頻度は増え,海面は上昇,海洋酸性化は進行し,強い熱帯低気圧の発生割合が上昇した可能性も高い。 気候および海洋の変化に伴い,沿岸域でも様々な現象が見られている。熱帯,亜熱帯の海では,サンゴが白くなりやがて死ぬ白化現象が世界各地で繰り返し報告されている。海水温上昇によりウニやアイゴ等の藻食動物の食害が増え,また海藻・海草類が枯死することで,藻場の衰退や藻場構成種の変化が見られている。台風やハリケーンの襲来による高潮,高波による沿岸域の被害も国内外で報告され,ニューヨークや大阪,東京など大都市圏の沿岸部での浸水被害は記憶に新しい。 こうした沿岸域で見られる気候変動問題に対し,ブルーカーボン生態系および関連する生態系は,課題解決にどのように貢献し得るのであろうか...
お気に入りから削除しますか?