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石油化学系のプラスチックは安価で耐久性のある素材であるが,そのほとんどは分解するのに長期間かかり,深刻な環境汚染を引き起こすことが予測される。そこで,従来の石油化学ベースのプラスチックを,より環境への負荷の小さなバイオマス,または生分解性の材料に置き換えて持続的に生産しようとする機運が高まっている。主にリグニン,セルロース,ヘミセルロースで構成されているバイオマス原料から作られる場合,バイオプラスチックは化石燃料への依存を減らし,温室効果ガスの排出を減らすことができる。中でもリグニンは木材成分の約30%を占め,芳香環を含む化学構造をもつため,耐熱性,難燃性などを発揮する優れた材料となる可能性があるが,リグニンを活用した材料の実用化には至っていない。通常のパルプ製造では強アルカリ処理が用いられリグニンの加工が困難なことから,温和な条件で環境負荷の低い新しい溶媒開発が望まれている。近年,深共晶溶媒(deep eutectic solvent,DES)はリグニンを溶解できることが報告されており1),良好な溶媒となることが期待されている。ここでは,DESのリグニン溶解特性を利用したバイオプラスチック合成に関する研究を...
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