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エステル化に代表される脱水縮合反応は,副生成物が水のみであるグリーンな反応であり,化成品合成など工業的に広く利用されている。一方,本反応は加水分解との平衡反応であるため,水の除去が反応転化率の向上に不可欠である。工業的な製造プロセスにおいては,硫酸等の酸触媒を用い,100℃以上に加熱して水を除去しながら合成をおこなうが,反応および生成物の分離精製に多量のエネルギーを要する。 著者らはイオン液体にスルホン酸基等のブレンステッド酸触媒部位を修飾したイオン液体触媒(Ionic Liquid Catalysts;ILCs)の開発を進めてきた(図1上)。ILCsはイオン液体由来の難揮発性・難燃性などの特徴を有し,再利用も可能であるため,硫酸等でしばしば問題となる揮発損失を抑制できる。また,カチオンやアニオンの分子修飾等により反応原料や生成物との溶解性や相分離挙動を制御することも可能である。ILCsの相分離を利用して平衡反応を操作できれば,生成物の転化率の向上や後段の分離精製プロセスの簡略化が可能であり,プロセスの高効率化や省エネ化に繋がることが期待される。これまでに,種々のILCsを用いて各種エステル化反応が検討され...
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