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ゲルは,食品や洗剤,おむつ等の日用品に幅広く使われており,その研究開発の歴史も長い。しかしゲルの定義は未だに人により様々である。本稿ではゲルを「液体の性質を併せ持ちながら,流動性を失ったもの」と広く定義する。我々が日常的に目にするゲルのほとんどは,モノマー分子が共有結合で繋がった高分子(ポリマー)によるゲルである(ゼラチン,寒天,吸水性ポリマー等)。一方,分子量1000以下の比較的小さな低分子化合物が非共有結合により連結・自己組織化し,これが高分子のように振る舞うことでゲルを作成することも可能である。一般に,このような化合物を低分子ゲル化剤あるいは低分子版超分子ゲル化剤と呼ぶ。この時,非共有結合としては,疎水性相互作用や水素結合,静電的相互作用等が寄与する。低分子ゲル化剤分子の連結・自己組織化により,ナノファイバーやシートを形成し,このナノファイバー等が絡み合うまたは分岐する。結果として3次元ネットワークを構築し,溶媒をゲル化する(図1)。 低分子ゲル化剤の例として,食用廃油を固める「固めるテンプル(ジョンソン・エンド・ジョンソン(株))」がある。この主成分は12-ヒドロキシス...
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