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両親媒性のペプチドは難水溶性物質を内部に包括した複合体を形成し得る。健康機能性の物質をペプチドと複合化すれば,経口摂取において体内への吸収率を高めるのに寄与する。抗がん剤などの薬物を包括したペプチドはその薬物を患部へ送達するキャリアとなり得るうえ,そこに特定の配列を導入することで特殊な機能性を追加できる。 難水溶性の機能性物質・薬物と複合化してその担体となる両親媒性のペプチド開発は数十年来進められてきた。ペプチドの多様性が故に研究の方向性も幅広く,現在では世界的にも膨大な数の研究者が開発を進めている。その中の限られた例ではあるが,本稿では筆者らが開発してきた研究背景について紹介する。前半では消化ペプチドによる難水溶性物質の溶解とバイオアベイラビリティの向上について示す。後半では競争の激しい新規のドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発において独自性を意識して開発してきたペプチドキャリアについて紹介する。 ...
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