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食品加工・製造は化学産業と同様,多くの単位操作から構成されるため,化学工学で体系化されてきた手法は大いに役立つ。現在,食品工学の発展を支えている学術団体である日本食品工学会も化学工学会の中に設立された食品化学工学研究会に起源を有しており,食品工学と化学工学は非常に近い関係にある。一方で,食品は生物由来の資源を原料としており,物質としての複雑性に加え,品質を決定づけるのは人間の官能であることから評価軸も多様であり,効率的且つ持続可能な食糧生産の実現に向けての障壁は多い。そして,近年では食に対する需要は質・量共に高まっており,先進国では社会の成熟に伴い食への高機能化が望まれる一方,途上国を中心とした地域では人口爆発に伴う食糧需要が急速に増加している。今後,食品プロセスのマーケット市場は,1年で5%ずつ拡大していくと予想されており1),更には省エネルギーや省資源との両立も求められている。そこで,限られた食糧資源を無駄なく加工するために,機械学習の援用が積極的に検討されている。 食品工学を取り扱った主要な国際学術誌において,機械学習を活用した論文数の増加傾向を図1に示す。とりわけ,2017年以降の増加は指数関数的で...
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