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現行の鉄鋼プロセスにおいてCO2発生の根源となる炭素は本来,鉄鋼製造に欠かせない物質である。鉄鋼プロセスの主流である高炉-転炉法では鉄鉱石を高温場で還元溶解し,高温融体の状態で精錬し,凝固させ,所定の強度,機能を保持した製品へと加工し,市場に提供する。高温場の還元反応の主たる還元材,エネルギー源として炭素を利用し,炭素の最終形態としてCO2を排出する。鉄鉱石の還元反応に伴う不可避的なCO2発生であるが,我が国において鉄鋼製造に伴うCO2排出量は国内CO2総排出量の約15%を占めるなど,その影響度は大きい。生産段階でのCO2発生削減は原理的に容易でなく,大型設備の集合体である製鉄所の生産プロセスを変えるのは簡単ではない。しかしながら,2050年の長期目標達成に向けて,鉄鋼業では抜本的な低炭素,脱炭素へと世界的に動きつつある。本稿では,その動向に加え,CO2を再利用するCCU(CO2 Capture and Utilization),究極的なプロセス転換である水素利用など新しい概念に基づく至近の開発状況を述べる。 ...
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