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脳卒中は死に至る重篤な疾患であり,2019年WHO(World Health Organization)の報告1)によれば,虚血性心疾患に次いで世界第2位の死因となっており,世界全体の死亡者数の約11%を占める。一方,我が国においては,脳卒中を含めた脳血管疾患は,悪性新生物(がん),心疾患,老衰に続いて死因の第4位であり,死亡者数は7.7%である2)。脳卒中の脳血管疾患の中で占める割合は高く,また,死に至らず,一命をとりとめたとしても,身体の麻痺や言語障害などの後遺症が残り,介護を必要とする例が近年増えている。その割合は,認知症(17.6%)に次いで高く,16.1%と第2位となる3)。脳卒中の発症率は年齢とともに上昇するため,超高齢社会の我が国においては,患者と介護者の数は今後,さらに増えると考えられる。そのため,脳卒中に関する診断・治療方法の開発は,患者本人のみならず,家族の身体的・経済的負担の軽減,さらには国の医療費向上といった社会的課題の解決にもつながる重要な研究といえる。 脳卒中の多くは,脳の血管が詰まったり,狭くなって血流が悪くなる「脳梗塞」(55.6%)による2)。その中でも,動脈硬化症が進展し...
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