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2050年の温室効果ガス(GHG)排出の大幅な削減をどのように考えていくのか,人類は大きな命題を突きつけられている。温暖化懐疑論も存在するが,対策をとらなくてよい,と結論づけられない以上は,現代の科学者の英知によって発せられている警告を信じ,どのように地球温暖化に伴うリスクを回避することができるかを考えていくことが重要である。また,この問題は世代間の問題でもある。現在,発言力を持っている世代が責任を持って提案する選択肢は,尊重すべきであろう。しかし,その選択肢が,脱炭素社会に真に資するものではないのであれば,その選択肢を推進することは将来世代に対する無責任につながる。 エネルギーに限定されないが,世界の動きは加速度的に速くなっており,5年前の常識はもはや通用しない場面にも直面する。本稿では,近年の動向を踏まえつつ2050年という長期展望の中で,どのように脱炭素社会の姿を考えていったらよいか,俯瞰的に考える視点を供したい。 ...
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