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浅海域における干潟,藻場,湿地,あるいはマングローブは,水質浄化,食料供給,観光,レクリエーションといった様々な恵み(生態系サービス)を私たちにもたらす。その中でも,二酸化炭素(CO2)の吸収という新たな恵みが注目されている。 海洋生物によって大気中のCO2が取り込まれ,海洋中に貯留された炭素のことを,2009年に国連環境計画(UNEP)は「ブルーカーボン」と名付けた1)。陸域や海洋は,地球における炭素の主要な貯蔵庫となっているが,海洋が炭素貯蔵庫として特に重要なのは,海底泥中に貯留されたブルーカーボンが長期間(数千年程度)分解無機化されずに貯留され保存性が極めて高い点である。 海底には年間1.9~2.4億トンの炭素が新たに埋没し貯留されると推定され,浅海域はそのうちの約73~79%(1.4~1.9億トン)を占めるとの報告がある(図1)1, 2)。したがって,温室効果ガスのうち最も主要なCO2を,大気外へ隔離し貯留させる仕組みが,浅海域において有効に機能している。 ...
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