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鉄鋼スラグは,国内で年間4,000万トン弱が生産されている,鉄鋼製品の製造時に発生する副産物である。これまでは,アルカリ系資材として,セメント用材料や道路用路盤材,土木工事用資材として広く建設工事に利用されてきた1)。しかし,昨今の国内の公共事業や建設需要の低迷,他副産物との競合や廃コンクリートなどのリサイクル材の利用促進といった社会情勢の変化から,市場の需給状況の予測が困難になっており,販路の拡大に向けた新規用途開発が求められてきた。 当社では,このような背景を受け,鉄鋼スラグ,特に転炉系製鋼スラグ(以下,製鋼スラグ)の特性を生かした「環境用資材」としての沿岸域における利用技術の開発に取り組んできた。具体的には,海向けの鉄分供給材である「ビバリー®ユニット」,港湾や航路の浚渫で発生する浚渫土砂の改質技術「カルシア改質」,そして製鋼スラグを骨材に用いた人工石材「ビバリー®ロック」,「ビバリー®ブロック」である(図1)2)。 ...
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