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カーボンニュートラルに向け,CO2排出量の削減は世界的に喫緊の課題となっている。鉄鋼業は日本のCO2総排出量の14%を占める一大排出源である。一方で主要な鉄鋼製造プロセスである高炉法は,カーボンニュートラルな代替法開発の技術的ハードルが非常に高く1),2050年カーボンニュートラル達成のためにはCCUS(CO2有効利用・貯留技術)との組み合わせが重要となる。 我々は,解決策の1つとしてカーボンリサイクル高炉とCCUSを組み合わせた革新的CO2削減技術の開発に取り組んでいる2)。CO2を原料としたCCUプロセスとしてはメタノール合成が有望である。メタノールは化成品としての汎用性が高く,市場規模も年々増加傾向にある。また,エチレンやプロピレンなど,現在化石燃料由来の基礎化学品への転換も可能で,将来的な需要の伸び代も見込まれる。メタノールは現在,主に天然ガスの水蒸気改質で得られた合成ガスから製造されるが,CO2フリー水素を用いてCO2から合成できれば,CO2排出量削減の波及効果は大きい。 本稿では,CO2削減を目的として現在2者で共同開発中であるゼオライト分離膜を用いたメタノール合成技術について紹介する。 ...
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