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反応蒸留「以下RD(Reactive Distillation)」は,1つの装置で反応と分離を同時におこなうプロセスである。例えば,沸点の低い順にC,A,B,Dとする可逆反応系A+B⇔C+Dを考えてみよう。この反応では,生成されたCを塔頂から,またDを塔底から連続的に除去することで,反応が正反応側に傾き,反応を継続させることができる。 気液平衡,気液の物質移動,触媒内拡散(不均一触媒使用した場合),化学反応速度論の複雑な相互作用により,反応蒸留の設計と運転の問題は,従来の反応器や蒸留塔の問題よりもかなり複雑である1)。 Kissの総説2)によると,過去40年間にRDに関して1,100以上の論文と800以上の米国特許が発表されている。総説中には235以上の反応系が網羅されており,彼は最も重要なRDプロセスは,エステル交換,エステル化,加水分解,ポリエステル化,エーテル化,水和・脱水,アルキル交換,アルキル化,異性化,加・脱水素化,アミノ化,縮合,塩素化,ニトロ化と述べている。また,これらの反応は全て,化学平衡によって反応の推進が制限されるものであり,数十年前から少数のRDの工業的応用が提案されていること,そ...
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