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紙需要は縮小傾向である。大きな要因はデジタル技術の発展・広まりにより,ペーパーレス化が進んだことである。更に新型コロナウイルス感染症を背景とする生活様式の変化として,テレワークや在宅勤務が増加したこともまた,ペーパーレス化を助長すると考えられる。このような紙需要の縮小は製紙業界の脅威であり,事業構造転換への契機となっている。 一方で,紙には新たな機会も生まれている。近年の環境意識への高まりから,プラスチックの代替品として紙製品を含む木質由来製品に注目が集まっている。紙の原料は木材(特にセルロース)であり,木材は再生可能な循環型資源である。製紙各社では,木質由来の素材を用いた製品開発を進めており,セルロースナノファイバーやバリア紙,バイオマスプラスチック等,開発の幅を広げている。本稿ではバイオマスプラスチックの1つであるポリ乳酸(PLA)の取り組みについて述べる。 現在,多くのバイオマスプラスチックはトウモロコシ等に含まれるデンプンを分解し,得られたグルコースを用いて製造される。近年では,その分野への期待が増し,需要が拡大した結果,食物供給への影響が懸念されている。2006年から2008年にかけての国際穀物...
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