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2021 Vol.85 No.9

巻頭言

特集

大気圧プラズマの工学応用と社会実装,現状と未来

プラズマは固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態と言われ,気体分子が陽イオンと電子に分かれて運動している電離状態である。これを利用したプラズマ技術は,CVDプロセスなどの材料開発から,不活性な表面の活性化,滅菌等々,潜在的な応用を幅広く持つ技術である。一方で,従来プラズマは低圧下での発生が一般的であり,発生に密閉チャンバーを必要とし,大量処理や連続処理に応用するのが難しい技術でもあった。これに対し,1990年前後に大幅な技術向上がなされた大気圧プラズマは,常圧下での発生が可能であり,密閉チャンバーを必要とせず,インライン化,パターニング,大量処理などが容易であり,工業プロセス,化学工学とも非常に親和性が高い技術だと言える。実際,この技術開発を受けて,近年,大気圧プラズマが材料開発からバイオ用途,水処理など,様々な応用用途に展開されている。本特集では,近年の産学の取り組みを概観し,大気圧プラズマの理論,装置の紹介から,大気圧プラズマだからこそできる大量処理の事例,今後につながる技術の種を紹介する。

(編集担当:大橋秀伯・遠藤 肇)

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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