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2021 Vol.85 No.3

巻頭言

特集

物質循環のための使用済みプラスチックの再資源化

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)では,目標12「つくる責任つかう責任」に「持続可能な消費と生産のパターンを確保すること」がゴールとして掲げられており,世界は循環型社会へ向かっている。日本ではプラスチック資源循環戦略が策定され,食品容器などの使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%削減し,廃家電や自動車部品を含む全てのプラスチックごみを2035年までに100%有効利用する目標を掲げ,様々な取り組みが始まっている。プラスチックは人々の健康・安全を守り,生活に必要不可欠な素材であり、持続可能社会実現にむけて,経済性や技術可能性を考慮しつつ廃棄物エネルギーの高効率な回収を含めた全体的な資源循環という視点からの検討が必要である。海洋ごみや,マイクロプラスチック問題も,地球規模の課題として解決が必要である。
 本特集では,使用済みプラスチックの再資源化に焦点を絞り,まず国内のプラスチック循環の現状を把握する。経済性やエネルギー効率を含めたプラスチック循環解析に関する研究事例を紹介する。そして,プラスチック分別に関する実用化事例,マテリアルリサイクル,ケミカルリサイクル,バイオリサイクルに関する研究事例,再資源化の実用化・対策事例を紹介する。

(編集担当:前田治彦・川喜田英孝)

小特集

鉱物化による二酸化炭素の有効利用・固定化技術

 地球温暖化対策のため二酸化炭素を有価物として有効利用するCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)技術や固定化する技術に注目が集まっている。これらの技術の中で,塩基性の廃棄物や鉱物を利用して二酸化炭素の鉱物化(CaO/MgO + CO2 → CaCO3/MgCO3)をおこなう技術は,カーボンフリーの水素を必要とせず,反応のGibbsエネルギー変化が負であり,また得られる炭酸塩,骨材,コンクリート製品等の市場規模が比較的大きい等の特徴を有する。本小特集では,二酸化炭素の有効利用・固定化技術における鉱物化技術の位置づけや研究事例,企業の取り組みを紹介する。

(編集担当:飯塚 淳)

学生会員の声

広がれ!ダイバーシティ

Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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